第289章:京都大学を目指して

大学入試の加点の話が出た途端、机の整理をしていた馬場絵里菜は思わず顔を上げた。

前世では、馬場絵里菜が受験した年は京都大学の合格ラインが最も高い年で、成績優秀だった馬場絵里菜は高校3年生の一年間、徹夜で勉強を重ね、第一志望の京都大学に見事合格した。

希望通り京都大学に合格したものの、その入試は非常に危険なものだった。その年は京都大学の合格ラインが最も高かっただけでなく、問題も最も難しい年で、東京市の全ての高校の中で、京都大学に合格したのはわずか十二名、第二中学校からは馬場絵里菜一人だけで、合格ラインをわずか3点上回っただけだった。

京都大学に対して、馬場絵里菜は強い思い入れがあった。前世でも常に京都大学合格を目標としており、転生した今でも京都大学に進学したいと思っていた!

ただし、今度はもっと余裕を持って合格したい。前世のように綱渡りで不合格寸前になるのは避けたかった。

馬場絵里菜が加点の話に反応して顔を上げる一方で、馬場依子は学校の宣伝ビデオに出演できるという話に興味を示した。

彼女の長年の夢は芸能人になることで、注目を集め、脚光を浴びることすべてが彼女の追求するものであり、好むものだった。

残念ながら馬場家はエンターテインメント業界に関わっていなかったが、カメラの前に立てるチャンスがあると聞いた馬場依子は、すぐに心を動かされた。

自分は美しくて品があるのだから、もし学校の宣伝ビデオが県のテレビ局で放送されれば、芸能プロダクションや監督の目に留まるかもしれない。

そう考えると、馬場依子はすぐにも挑戦したい気持ちになり、必ず一番になってやろうと思った!

馬場絵里菜と馬場依子以外にも、多くのクラスメートが私語で議論を始めたが、ほとんどの生徒は馬場絵里菜と同じく、高得点で加点を得ることを目的としていた。

これらの子供たちは裕福な家庭の子女ではあったが、クラスのトップ生徒たちでもあり、良い大学に合格することを強く望んでいた。彼らは既に第二中学校の優れた教育環境を享受しており、入試でさらに加点が得られるなら、まさに虎に翼を得たようなものだった。

多くの生徒がすでに応募を決意していた。

生徒たちの表情を見て、菅野將は満足げに頷き、夏目沙耶香に向かって言った。「クラス委員長、昼休みに応募したい生徒を集計して、私の研究室に持ってきてください。」