第318章:協力

馬場絵里菜は微笑みを返し、直接口を開いた。「こんにちは、絵里菜と申します。六時に社長とお約束があります」

豊田剛は明らかに受付に事前に連絡していた。受付係は馬場絵里菜が名乗った名前を聞くと、すぐに理解した表情を見せ、ロビーの右側を指差した。「エレベーターはあちらです。そのまま21階までお上がりください。到着されましたら、社長の秘書がご案内いたします」

「ありがとうございます」

エレベーターに乗ると、白川昼は我慢できずに口を開いた。「このビルディング、ダサすぎだな」

馬場絵里菜は笑うだけで何も言わなかった。今どきの高層ビルの多くがそうで、デザイン性に欠け、四角四面の高層ビルで、せいぜい屋上に装飾が施されている程度だ。結局のところ、これらのビルは前世紀に建てられたもので、当時の美的感覚はそうだったのだ。今から見ると確かに美しくない。