細田部長はその言葉を聞いて思わず細田芝子を見つめ、一瞬考え込んでしまった。
社長の叔母さん……
細田部長は一時的に頭が混乱していた。結局のところ、彼女は細田芝子のことを全く知らず、彼女の専門分野も分からないため、軽々しく口を開くことはできなかった。
馬場絵里菜はその様子を見て、さらに言った。「技術職は無理だと思います。叔母は不動産業界の人間ではないので、もっと気楽で覚えやすい仕事はありませんか?給料は高くなくても、同じ部署の人と同じくらいで構いません。」
そう言いながらも、馬場絵里菜は心の中で分かっていた。東海不動産の従業員は、どのポジションでも叔母が服飾工場で稼ぐよりも多く稼げることを。
馬場絵里菜がそう言うと、範囲が一気に最小限まで絞られ、細田部長はすぐにアイデアが浮かび、急いで言った。「会社の経理部で出納係を募集しています。経験は必要ですが、業務の流れは複雑ではありません。以前やったことがなくても、他の人の指導があれば、すぐに覚えられます。」