第343章:部屋選び(2)

馬場絵里菜は頷いて、菅野部長に遠慮することなく言った。「では、よろしくお願いします。」

菅野部長は直接馬場絵里菜と細田芝子をマンションに案内しながら、説明を続けた。「このマンションは昨年末に販売を開始し、現在はほとんど売り切れています。そうでなければ、もっと多くの選択肢があったのですが。」

「東西南北に各4つの大きな門があり、マンション内にはスーパーマーケットとクリニックもあって、とても便利です。」

細田芝子は説明を聞きながら、マンションの環境を観察していた。至る所に緑があり、様々な形の假山があり、人工噴水まであった。

建物と建物の間隔も広く、日照の問題は全くなかった。マンションは大通りに隣接しているにもかかわらず、静かな設計で、外の道路の喧騒は全く聞こえなかった。

菅野部長の案内で、馬場絵里菜と細田芝子は4つの部屋を見て回った。菅野部長が言った通り、これらの部屋の間取りは全て同じで、唯一異なるのは向きとインテリアのスタイルだった。

ヨーロピアン風の豪華な内装は、基本的に贅沢さを主体としていた。

また、温かみのある北欧カントリー調の部屋は、非常に居心地が良く、いくつかの部屋の中で最も家らしい雰囲気があり、その中にいるだけで気分が明るく楽しくなるようだった。

クールカラーのミニマリストスタイルは、洗練された基調で、空間レイアウトにより重点を置いていた。

さらにポストモダンインダストリアルスタイルの部屋もあり、力強さの中にデザイン性が十分に感じられ、馬場絵里菜もとても気に入った。

「これが全ての部屋ですが、どの部屋がお気に入りですか?」菅野部長は二人に尋ねた。

馬場絵里菜は思わず細田芝子の方を見た。「おばさん、どれがいいと思う?」

細田芝子は完全に圧倒されていた。様々なインテリアスタイルを見て、目を奪われ、感嘆するばかりだった。

こんなにも素晴らしい内装ができるとは知らなかった。

これらの内装デザインは全てプロのデザイナーによるもので、一般の人には思いつかないような驚くべき工夫が随所にあり、馬場絵里菜でさえ目を見張るものだった。

細田芝子はヨーロピアンスタイルと北欧カントリー調の間で迷っており、しばらく悩んでも決められなかった。

結局、新しい家を選ぶのは八百屋で柿を選ぶようなわけにはいかないのだ。