第354章:告白(2)

細田登美子は聞けば聞くほど驚き、まるで物語を聞いているかのようだった。

しばらくして、ようやく我に返り、息子と妹夫婦を見つめながら尋ねた。「この件について...みんな知っていたの?」

母親である自分だけが知らなかったなんて!

皆は黙って頷いた。

「お母さん、ごめんなさい。私も隠すつもりはなかったの。ただ、どうやって話し出せばいいのか分からなくて、ずっと適切なタイミングを待っていたの」と馬場絵里菜は小声で言った。

彼女は最初から誰にも隠すつもりはなかった。これらすべては目の前にいる人たちのためだった。

でも、話し出すのは難しかった。結局、他人の目には自分はまだ子供に見えるのだから。

この件は細田登美子にとって衝撃が大きかった。娘を信じていないわけではない。ただ母親として、娘が何の前触れもなくこれほど大きなことを始めていたことが心配でならなかった。

騙されているのではないか、間違った道に進んでいるのではないかと。

結局、娘はまだ14歳なのに...不動産会社を設立するなんて、どうして可能なの?

身分証明書すらまだ持っていないのに!

それに、どこからそんなお金が?

細田登美子が悪い方向に考えてしまうのも無理はない。これは母親として最も本能的な反応だった。すぐさま真剣な表情で馬場絵里菜に尋ねた。「絵里菜、お母さんに本当のことを話して。この会社は本当にあなたが設立したの?」

馬場絵里菜も真剣な表情で頷いた。

細田登美子は更に尋ねた。「お金はどこから?」

この件について明確にしなければならない。もし誰かが娘を利用して違法なことをさせているのなら、すぐにでも警察に通報するつもりだった。

「前の鈴木由美の件、覚えてる?実は警察署で、鈴木由美のお父さんに要求したのは100万円じゃなくて300万円だったの。二枚の小切手を書いてもらって、200万円の方は自分で持っておいたの!」

馬場絵里菜は唇を噛んで、続けた。「実は、あの時から既に起業する計画があったの!」

細田登美子は聞きながら胸が高鳴った。いつも素直で言うことを聞く娘が、こんな大きな事を隠していたなんて。

300万円よ...

当時、馬場絵里菜が100万円の小切手を持ち帰った時でさえ細田登美子は驚いたのに、実際にはそれ以上だったなんて。