第361話:第1位

馬場絵里菜は各問題を三回も確認し、答えをはっきりと覚えていたので、すぐに二人に答えを教えた。

高遠晴は一問だけ馬場絵里菜と同じ答えで、残りの二問は異なっていた。

林駆は最悪で、三問とも高遠晴とも馬場絵里菜とも一つも答えが一致しなかった。

「まさか、記述問題三問とも間違えたんじゃないか?」林駆は恐怖の表情を浮かべた。

三問の記述問題は合計五十六点で、もし全部間違えたら、彼の望みは完全に絶たれてしまう。

馬場絵里菜はその様子を見て微笑んだ。「そんなに悲観的にならないで。残りの二問は君だけが正解かもしれないよ。」

林駆の心は既に半分凍りついていて、馬場絵里菜の言葉も彼にとって何の慰めにもならなかった。

そして事実、馬場絵里菜の言葉は本当に慰めに過ぎなかったことが証明された。

翌朝早く、菅野將は珍しく笑顔を浮かべて教室に現れた。

「皆さん、昨日午後の数学オリンピック校内選抜試験の結果が出ました。私たちの1組からは四名の生徒が参加し、そのうち二名の生徒が百名以上の生徒の中から抜きん出て、学校代表として市の数学オリンピックに出場することになりました!」

菅野將がこの言葉を言い終えると、教室内は一瞬にして騒然となった。

四人が参加して二人が選ばれるなんて、この確率は五十パーセントにも及ぶ。

さすが高校1年生で最も優秀なクラス、この種の競技の問題は人間業ではないのに、選ばれた人たちは本当にすごい!

「馬場依子さん、満点百二十点中、最終成績は九十二点で、第四位です!」菅野將は第一列目に座る馬場依子に視線を向け、目に賞賛の色を浮かべながら言った。「二十点の大問一問と八点の空所補充問題一問を間違えましたが、全体的に見て非常に良い出来でした。これからの競技でも良い成績を収めることを期待しています。」

「九十点以上?すごすぎる!」

「私は中学の時に学校の数学オリンピックに参加して四十六点だったよ。同じ1組なのに、こんなに差があるなんて。」

「馬場依子は転校してきてすぐの月例テストで学年二位を取ったんだよ。数学は満点だったし、私たちよりずっと凄いよ。」

先生の励ましと級友たちの称賛を耳にして、馬場依子は孔雀のように背筋を伸ばし、穏やかな笑みを浮かべながら菅野將に向かって言った。「先生、私は必ず学校とクラスの名誉のために全力を尽くします。」