第360章:数学コンクール校内選抜戦_2

高校1年生の応募者が最も多かったため、第一回は高校1年生の専用回で、50名以上の生徒が参加した。

生徒たちは監督の先生について階段教室に入り、先生の指示に従って着席した。

馬場絵里菜は3列目に座り、周りを何気なく見渡した。階段教室は広く、各列8人が座れ、生徒同士の間隔も十分にあった。監督の先生は前後に3名ずついて、カンニングはほぼ不可能な状況だった。

生徒は筆記用具のみ持ち込み可能で、試験用紙が配られた後、各自に計算用紙が2枚ずつ配布され、提出時には試験用紙と一緒に提出することになっていた。

「解答時間は80分です。8問の空所補充問題が各8点、3問の記述問題がそれぞれ16点、20点、20点で、満点は120点です。試験中は周りを見回すことは禁止です。カンニングや不正行為が発覚した場合は、コンテスト資格を剥奪し、全校に通達します!」

言い終わると、厳しい表情の監督の先生は時計を確認し、号令を下すように宣言した。「試験開始!」

馬場絵里菜は試験用紙を見下ろすと、複雑な数式と記号のような図形が目に飛び込んできた。前世で京都大学を卒業した優等生だったとはいえ、油断はできなかった。少しでも不注意があれば、落選する可能性が十分にあった。

結局、100人以上が5つの出場枠を争う、まさに大海から砂金を選り分けるような戦いだった。

他の生徒たちも同様で、少しも気を抜くことはできなかった。センター試験での加点がどれほど魅力的か言うまでもない。100万人以上の受験生の中で、1点でも多ければ、順位が数万位も上がる可能性があるのだ。

……

集中していると、時間はあっという間に過ぎ去り、50分後には既に提出し始める生徒が出てきた。

周りで人が立ち去っていく中、馬場絵里菜は全く影響を受けることなく、計算用紙で二度目の確認計算を丁寧に行い、自分の解答が正しいことを確認していた。

1組で最初に提出したのは馬場依子で、その後すぐに高遠晴と林駆も解答を終えて提出した。階段教室を出る前、林駆は頭を下げて真剣な表情で解答している馬場絵里菜に視線を向け、目に心配の色が浮かんでいた。

林駆と高遠晴は急いで帰らず、廊下で馬場絵里菜を待ちながら答え合わせをしていた。

しかし、後半の3つの大問で、二人の答えは一つも一致しなかった。