第371話:入れ替わってみない?

細田梓時は長い間母親の作った料理を食べていなかったので、その言葉を聞いて思わず顔を輝かせ、急いで言った。「母さん、ニンニク風味のロブスターが食べたい。」

細田萌も口を開いた。「私はチーズ焼きロブスターが食べたい!」

子供たちが側にいて、仕事もうまくいき、伊藤春は喜びに満ちた表情で、離婚のことで少しも暗い様子はなかった。

何度もうなずきながら答えた。「いいわよ、ママが作ってあげる!」

細田萌は気の利く女の子で、母親の様子が特に良さそうなのを見て、思わず尋ねた。「ママ、新しい仕事が見つかったの?」

伊藤春も隠さず、ただ笑いながらうなずいた。「見つかったわ、とてもスムーズに!」

馬場絵里菜に会ったことについては口にしなかった。息子もいることだし、馬場絵里菜がこのことを人に知られたくないかもしれないし、子供たちが帰って細田仲男に話すのも避けたかったからだ。