「ラブレター」という言葉を聞いた途端、隼人の表情が凍りついた。
「もうその話はやめてくれ。手紙はそのまま返したじゃないか」進藤隼人は天然な表情で、焦ることも怒ることもなく、まるで気の短い人ではないかのようだった。
「じゃあ、私に食事に誘わせてよ。ご飯を食べたところで肉が減るわけじゃないでしょう!」河村麗月は頬を膨らませ、どうしても進藤隼人とランチを共にしたいという様子だった。
馬場絵里菜は傍らでそれを見ながら、この子は図太いなと心道った。ラブレターを返されても怒るどころか、むしろ攻めが激しくなっているように見える。
「いやだ」進藤隼人は河村麗月以上に直接的で、きっぱりと簡潔に断った。
「ちょっと!進藤隼人、私の顔を立ててくれないの!」河村麗月は目を見開き、信じられないという表情を浮かべた。