放課後、馬場絵里菜たちは一緒に校門を出た。
「沙耶香、今日は撮影現場に行かないの?」高橋桃は夏目沙耶香の腕を組みながら尋ねた。
夏目沙耶香は笑顔で頷いた。「今日は完成した映像の審査があって、鳴一監督が京都に行ったから、撮影現場は一日休みなの。」
そう言いながら、夏目沙耶香は眉を上げて林駆の方を見て、尋ねた。「林駆、今日は皆に何を奢ってくれるの?めったにこんなに揃わないのに!」
今日の集まりは急に決まったことだったので、林駆も事前に計画を立てていなかった。聞かれて、ただ女子たちを見て「何が食べたい?」と聞き返した。
夏目沙耶香と高橋桃はそれを聞いて、思わず馬場絵里菜の方を見た。
林駆の気持ちは彼女たちにはお見通しだった。これは馬場絵里菜に何が食べたいか聞いているようなものだった。