東京は日本の北部に位置しているものの、六月中旬の天気はすでに暑くなっていた。
馬場輝はバイクに乗って世田谷区の自動車学校を出て、港区へと向かった。
免許を取ることは馬場絵里菜が彼のために決めたことだったが、馬場輝も考えてみると確かに取るべきだと思い、世田谷区の近くの自動車学校に申し込んだ。
生暖かい風が頬を撫でる中、馬場輝はバイクを走らせ、最後に東京の有名なケーキ店の前で停まった。
この店はシャンゼリゼという名前で、東京では非常に有名で、ケーキを注文するには二日前から予約が必要だった。そして明後日は、妹の誕生日だった。
店舗の外観は乳白色を基調とし、オレンジ色とクリーム色の装飾が控えめに施されており、清潔感があり派手すぎない印象だった。
水曜日の午後にもかかわらず、店内のカウンター前には長い列ができていたが、幸いなことにこれらの人々はパンやスイーツを買いに来ただけで、バースデーケーキは別のカウンターで選んで予約するようになっていた。