昼食の食堂にて。
「絵里菜、これは奢ってもらわないとね!」
馬場絵里菜が食事トレーを持って席に着くと、夏目沙耶香が待ちきれない様子で声をかけた。
高橋桃も笑顔で絵里菜を見つめていた。
絵里菜はその様子を見て、面白そうに沙耶香に言った。「奢るのは構わないけど、撮影で忙しいあなたに時間はあるの?」
「あるある!」沙耶香は急いで答えた。「私は女三号だから、そもそもそんなに出番多くないし、前ほど忙しくないの。鳴一監督も期末試験が近いって知ってるから、私のシーンは抑えめにして、試験終わった夏休みに撮り直すって言ってくれたから大丈夫!」
沙耶香がそう言うのを聞いて、絵里菜は頷いた。「そう、ちょうど私の誕生日も近いし、みんなで食事でもしましょう。私が奢るわ」
「誕生日?」沙耶香は驚いて聞いた。「6月の誕生日なの?」