第423話:本当に大変だった

これは馬場絵里菜にとって少し慣れないことだった。前世と今世を合わせても、第二中学校では同級生に好かれたことがなかったからだ。

恥ずかしそうな表情を浮かべながら、馬場絵里菜は急いで「みなさん、ありがとう」と言って、夏目沙耶香と一緒に席に戻った。

馬場依子は馬場絵里菜の後ろ姿を見つめ、目に不満の色を浮かべながら、心の中で歯ぎしりをした。またも馬場絵里菜に、なぜいつも彼女に一歩及ばないのか。

月例テストでも負け、オリンピック競技でも負けた。

馬場依子は納得できず、密かに拳を握りしめた。

その時、教員室では称賛の声が次々と上がり、各教師が高校1年生1組の担任である菅野將に祝福の言葉を述べていた。

「菅野先生、あなたのクラスの馬場絵里菜は本当に優秀な生徒ですね。」

「そうですね、この種の競技では過去に満点を取った生徒がいなかったのに、この子は本当に頭が良いですね。」