第455話:プレゼントは?早く出して!

中川文と鈴木墨は一緒に馬場絵里菜たちを武道場から見送り、別れを告げた後、黒いベンツが交差点で消えるまで見送った。

「新しい弟子が入門するのは、良い兆しだ」鈴木墨は目を輝かせ、少し興奮した様子だった。

中川文はその言葉を聞き、ただ手を伸ばして鈴木墨の柔らかい髪を撫でたが、心の中では父親の足が本当に治るのかどうかが気がかりだった。

……

車の中で、山本陽介が尋ねた。「門主、足立区に戻りますか?」

後部座席に座っていた馬場絵里菜は時計を見て、もうすぐ昼になることを確認し、「華咲ビルへ行って」と答えた。

今日、馬場絵里菜は皆をご馳走することになっていた。沙耶香と林駆たちが彼女の誕生日を祝うためだった。

華咲ビル最上階の回転レストランは馬場絵里菜が早めに予約していた場所で、今日の昼に設定していた。沙耶香は今日夜の撮影があるため、事前に馬場絵里菜に連絡を入れていたのだ。