第448章:北区武道館

期待していたのは、馬場絵里菜自身が武道に強い興味を持っており、最も重要なのは心法の修練に役立つからだった。

これまでは朝に庭で自主トレをしていたが、足立区の土道は凸凹で、風が強い日は砂埃が舞い、ジョギングさえ困難だった。

月島涼は今日も黒い服装で、気温は既に30度近くまで上がっているのに、暑くないのだろうかと思った。

「北区へ行こう!」と彼は言った。

「北区?」馬場絵里菜は驚いて、目を瞬かせた。

北区は、その名の通り東京の最北端に位置し、世田谷区よりも家から遠かった。

これは余りにも不便だ!

しかし月島涼は説明を始めた。「この数日間、東京中を探し回って、全ての武道館の中から最適な場所を選ぼうと思っていたんだが、意外なことに、東京全体で今も営業している純粋な日本武道の武道館は一軒しか残っていないんだ。」