第498話:私は登美子を見かけた

新田愛美の言葉を聞いて、豊田拓海と夏目沙耶香は思わず顔を見合わせて笑い、未来に対してより自信を持つようになった。

「頑張って、私は今でもあなたにとても大きな期待を寄せています。」新田愛美は夏目沙耶香の肩を軽く叩いた。「あなたが芸能界で輝くのを見たいわ!」

夏目沙耶香はその場で強力な元気をもらったかのように、力強くうなずいた。「愛美姉の励ましをありがとうございます。必ずあなたを手本に、一生懸命頑張ります!」

新田愛美は眉を上げて笑い、心道で、もしかしたら近い将来、私たちは同じ芸能事務所の所属タレントになるかもしれない!

……

夜になり、禧龍ヴィラ、馬場家。

すでに夜11時、書斎にはまだ明かりが灯っていた。

馬場長生は深灰色の部屋着を着て、手元の書類を処理することに没頭しており、表情は特に集中していた。

書斎のドアが開き、橋本好美がスープを持って入ってきた。馬場長生は音を聞いて顔を上げ、妻だと分かると表情が和らぎ、「こんな遅くまで、まだ寝ないの?」と言った。

橋本好美は馬場長生がこんなに頑張っている姿を見て、心配せずにはいられなかった。「あなたこそ早く休むべきよ。仕事は終わりがないんだから、明日に回せばいいじゃない?」

馬場長生はそれを聞いて軽く笑い、手の書類を軽く振って見せた。「あと数ページだけだよ。すぐ読み終わるから。」

そう言うと思っていた。橋本好美は諦めの表情を浮かべながらも、長年の夫婦生活で馬場長生のことはよく分かっていた。

これ以上説得するのを諦め、ただ手に持っているスープを馬場長生の前に置き、優しく言った。「中山さんが作ったスッポンスープよ。熱いうちに飲んでね。」

馬場長生はうなずき、手に取って一口飲んで味わい、思わず褒めた。「美味しいね。」

橋本好美はそれを見て、目に笑みを浮かべ、何気なく机の上の書類に目をやった。その内容を見て、疑問を感じて尋ねた。「遊園地のプロジェクト?会社はまだこのプロジェクトを計画しているの?」

馬場長生はうなずいた。「東京は国内の経済大都市として、観光業もますます発展しています。遊園地は間違いなく将来性のあるプロジェクトです。ただ、非常に広い土地が必要で、今、会社が売りに出ている土地をいくつかリストアップしてくれて、私が選別しているところです。」