第491章:衝突(2)

北区は東京の端に位置し、北郊外に隣接しているものの、経済発展は良好で、地区の開発は港区ほど繁栄していないが、世田谷区と互角の状態だった。

湘南亭は東京に3店舗あり、2店舗は港区にあり、残りの1店舗は北区にある。

レストランは団地からそれほど遠くなく、数人が2つの交差点を歩いて渡ると、遠くに湘南亭の赤茜の看板が見えてきた。

通常の食事時間は過ぎていたが、夏休み期間中だったため、レストランの営業は依然として好調で、外には多くの車が停まっており、店内もほぼ満席状態だった。

数人が入店すると、すぐにウェイトレスが熱心に応対に来た。

「いらっしゃいませ、何名様でしょうか?」

鈴木墨:「7名です。2階に個室はありますか?」

ウェイトレスはそれを聞いて、申し訳なさそうに首を振った:「申し訳ございません。ホールの広めの席でよろしいでしょうか?」

ホールは全て四角いテーブルで、7人が座るには椅子を2脚追加する必要があった。

鈴木墨は馬場絵里菜と月島涼の方を見て、二人の意見を求めるような様子だった。

馬場絵里菜はそれを見て気にせずに肩をすくめた:「大丈夫です。」

そこで、鈴木墨はウェイトレスに頷いて:「では、ホールでお願いします。」

奥の方のテーブルで、ウェイトレスは椅子を2脚追加し、7人が座るのにちょうど良かった。

注文を終えると、みんなは会話を始め、馬場絵里菜もこの機会に同門の先輩たちのことをよく知ることができた。

実は、この中で平野青と古谷浩だけが北区の人で、鈴木墨、柳澤勇気、西野孝宏は全員港区の人だった。毎朝の立ち稽古に合わせるため、港区の3人の弟子は夏休み期間中は道場に住んでいた。

道場には弟子たちが住むための広めの部屋が用意されていたが、住んでいる人たちは全員男子だったので、昨日は馬場絵里菜に道場に住むことを提案しなかった。

最も入門が遅い古谷浩でも龍栄道場で4年近く修行しており、最も長い鈴木墨は10年前から道場で修行を始め、龍栄道場の10年前の輝かしい姿も目撃していた。

話している最中、西野孝宏は突然みんなに目配せをし、湘南亭の入り口を見つめた。

みんなはそれを見て振り返ると、十数人の少年たちが入り口から次々と入ってきた。彼らのほとんどは14、15歳くらいで、最年長でも18歳を超えていないようだった。