東海不動産!
この四文字を聞いて、馬場長生の表情は一瞬凍りついた。
設立からわずか数ヶ月の新会社が、次から次へと馬場家の発展を妨害している。相手が意図的であろうとなかろうと、馬場長生のレーダーはすでに作動していた。この東海不動産は、もはや無視できない存在となっていた。
ただ、馬場長生には理解できなかった。なぜ東海不動産は南郊外のあの60万平方メートルの土地を手に入れたのか。あそこは人里離れた場所で、南郊外の外縁部に位置し、住宅やその他の商業施設を建設するには全く適していない。
もちろん、馬場長生は相手が馬場家の足を引っ張るために意図的にその土地を横取りしたとは考えていなかった。それではあまりにも割に合わないからだ。
一体何に使うつもりなのか?
馬場長生には全く見当がつかなかった。
「調べろ!」考えても分からないなら、もう考えるのはやめにして、馬場長生は鈴木輝を見つめて言った。「東海不動産があの土地で何をしようとしているのか調査しろ。」
鈴木輝は頷いた。「すぐに手配いたします。」
そう言って、また馬場長生を見て尋ねた。「社長、遊園地プロジェクトの用地については...どうされますか...」
「しばらく保留だ。土地を取られたからといって、適当に別の土地を探すわけにはいかない。」と馬場長生は答えた。
鈴木輝がオフィスを去った後、馬場長生は立ち上がって床から天井までの窓の前に立ち、外を眺めた。目に映る景色は、彼の乱れた心を落ち着かせることはできなかった。
しばらくして、馬場長生は振り返ってデスクの上の携帯電話を手に取り、素早く番号を探して発信した。
「もしもし、田中局長ですか?馬場長生です。ちょっとお願いしたいことがありまして...」
…………
馬場絵里菜は白川昼と用件を済ませた後、一人でオフィスを出て、経理部へ向かった。
月島涼は無表情で置物棚の水槽の金魚を見つめてぼんやりしていたが、突然背後から白川昼に肩を抱かれた。
「どう?この数日は?」白川昼は微笑みながら尋ねた。
明らかに月島涼と馬場絵里菜の「同居」生活について聞いているのだった。
「まあまあだ。」月島涼は淡々と答えた。
白川昼はそれを聞いて、眉を上げ、にやにやしながら尋ねた。「そこにまだ余分な部屋ある?」
彼も門主と同居したかった。泣きそう!