第519章:私が損するんですけど

東海不動産!

この四文字を聞いて、馬場長生の表情は一瞬凍りついた。

設立からわずか数ヶ月の新会社が、次から次へと馬場家の発展を妨害している。相手が意図的であろうとなかろうと、馬場長生のレーダーはすでに作動していた。この東海不動産は、もはや無視できない存在となっていた。

ただ、馬場長生には理解できなかった。なぜ東海不動産は南郊外のあの60万平方メートルの土地を手に入れたのか。あそこは人里離れた場所で、南郊外の外縁部に位置し、住宅やその他の商業施設を建設するには全く適していない。

もちろん、馬場長生は相手が馬場家の足を引っ張るために意図的にその土地を横取りしたとは考えていなかった。それではあまりにも割に合わないからだ。

一体何に使うつもりなのか?

馬場長生には全く見当がつかなかった。