第524章:まさに銃口に向かって突っ込む

馬場絵里菜は橋本通を見つめ、意味深な表情を浮かべていた。

橋本通は馬場絵里菜を見て、苦笑いを浮かべた。

その太った男は言い終わってから、急に雰囲気がおかしいことに気づいた。目の前の二人の無言のやり取りは、なんだか変だった。

しばらくして、馬場絵里菜は眉を上げて橋本通に尋ねた。「あなたが契約したの?」

その口調は軽く聞こえたが、暗に詰問の意味が込められていた。橋本通は心の中で「ドキッ」として、社長が怒っているのかと不安になった。

すぐさま、まるで売薬を売り込むかのように、首を振り子のように振って否定した。「違います違います、私は関係ありません。これは会社のスカウトマンが歯磨き粉の撮影現場で見つけた新人で、見た目がよくて将来性があると思って、契約したんです。」

「ふん……」馬場絵里菜は思わず嘲笑した。「大物かと思ったら、結局スカウトマンが路上で拾ってきただけ?」