「麻生次長、私……参りました……」
部屋に入るなり、田中仲は腰を低く曲げ、恭しい態度で、目の前の麻生直人に対して目を上げることもできなかった。先ほどの電話での麻生直人の口調から、明らかに危機感を感じていたからだ。
ソファに座る気品のある銀髪の男性に横目で気づき、田中仲は目は鼻を見、鼻は心を見るように、突然呼び出された理由は、きっとこの人物と関係があるのだろうと心の中で推測した。
麻生直人は冷たい目で田中仲を三秒ほど見つめ、口を開くと、嘲笑うような口調で言った。「田中局長は大きな権限を持っているようですが、最近はずいぶんと良いことをしているようですね!」
田中仲は馬鹿ではない。麻生直人の言葉に含まれる皮肉が聞き取れないはずがなかった。
その場で体が縮こまり、エアコンの効いているオフィスで、背中は一瞬で冷や汗でびっしょりになった。
「麻生次長、おっしゃりたいことがございましたら、はっきりとおっしゃってください……もし私が何か間違ったことをしていましたら、ご指摘いただければ、謙虚に受け止め、しっかりと改善いたします。」
麻生直人はすぐに冷ややかに鼻を鳴らし、田中仲とこれ以上言葉を交わすのも面倒くさくなり、手を振り上げ、一枚の書類を'バン'という音を立てて机の上に叩きつけた。
「自分で見てみなさい。この書類、見覚えがありますか?」麻生直人は冷たく言った。
白川昼は淡々とした表情でソファに座り、始終田中仲に一瞥もくれなかった。この件について彼が何か言う必要はなく、麻生直人が彼のために明確に解決してくれるはずだった。
手を伸ばす必要もなく、田中仲は一目で書類の表紙に書かれた大きな文字を見た:『スターライト遊園地プロジェクト企画書』。
プロジェクト提出企業:東京Mグループ傘下、東海不動産株式会社。
田中仲は完全に固まってしまい、表情をコントロールできず、驚愕の表情で白川昼を見つめた。
明らかに、彼はオフィスにいる三人目の人物の身分を察していた。相手は東海不動産の人間だった。
心臓が一拍飛び跳ねた。彼はどうしても、登録資本金がわずか百万円のこの小さな不動産会社に、麻生直人のような上層部とのコネクションがあるとは思いもよらなかった。
彼は……まさに鉄板を蹴ってしまったのではないか?