第592章:センチュリオンカード会員

このカードは絵里菜が自分のために用意したもので、当時は水雲亭の会員カードで、利用制限がないとだけ言われていた。

そのため、今日時間ができた細田登美子は、細田芝子と伊藤春を誘って、クラブでエステを受けに来て、しっかりと顧客として過ごすことにした。

フロントのチーフが細田登美子から差し出されたカードを見た時、一瞬表情が凍り、そして驚きの色が浮かんだ。

これは明らかに普通の水雲亭の会員カードではなく、水雲亭の最高会員資格を象徴するセンチュリオンカードだった。毎年わずか3枚しか発行されず、お金があれば手に入るというものではなく、前年の水雲亭での利用額上位3名のゴールドカード会員が、自動的にその年のセンチュリオンカード会員となるのだ。

そのチーフは少し驚いた様子で細田登美子を再度見つめた。彼女はフロントのチーフとして3、4年勤めているが、このセンチュリオンカードを持つVIPについては、まったく記憶がなかった。