第593章:上流社会の贅沢さ

その二人の上流婦人がフロントに立ち止まると、フロントの右側には翡翠のような透明感のある玉石で彫られた金運を招く蝦蟇の置物があり、全体が輝くような光沢を放っていて、一目で高価なものだとわかった。

蝦蟇は紫檀の台の上に置かれ、周りには大小様々な金貨や銀貨が散りばめられており、それらはすべて水雲亭の VIP 客たちが自ら置いていったものだった。

金持ちはこういったものを信じる傾向にあり、その二人の上流婦人も常連客らしく、一言も発しないうちに、まずはバッグから銀貨を二枚取り出して置いた。

その後、一人が銀色の会員カードを差し出して言った。「残高を確認してください。」

話しながら、相手は何気なくカウンターの左側に立っている細田登美子たちを一瞥した。

細田芝子と伊藤春はあまり美容に気を使わないタイプで、肌の色は少し暗く、目尻のしわも目立っていた。