処分という言葉を聞いて、田中仲は思わず膝を折りそうになった。
しかし理性的に考えれば、今この状況では、ただ言い渡されるのを待つしかなく、弁解の余地など微塵もないことは明らかだった。
麻生直人のオフィスを暗い表情で出た田中仲は、携帯を取り出して馬場長生に電話して不当な扱いを訴えようとしたが、携帯を握ったまま長い間ダイヤルできなかった。
結局のところ、この件は馬場家とは何の関係もなく、相手はただ南郊外のあの大きな土地に注目し、東海不動産がどんなプロジェクトを開発するのか見ておいてほしいだけで、東海不動産の足を引っ張れとは一言も言っていなかった。
本来は些細な手助けのつもりだったが、自分の思い上がりで、結局賢さが仇となって自分で自分の首を絞めてしまった。
このような仕事上の態度の問題は、軽ければ降格、重ければ免職だが、どちらにしても甘んじて受けるしかない。