第613章:山本陽介、出手!

天雷が落ちた場所に残された大きな穴を見れば、その威力が分かるだろう。もし不運にも直撃を受けたら、生き残る余地など全くない。

そして、これはおそらく彼の全ての力ではないだろう。

しかし馬場絵里菜も同時に気づいた。雷の能力は強大だが、彼は一度に一つの天雷しか制御できないようだ。そうでなければ、複数の天雷を同時に操って攻撃することも可能なはずで、月島の速さをもってしても逃れることはできないはずだった。

馬場絵里菜が最も気になったのは、雷の攻撃は一見無秩序に見えるが、実際には天雷が落ちる場所は全て月島の位置を捕捉したものだということだ。なぜなら、馬場絵里菜自身も瞳術で月島の位置を見ることができたからだ。

雷の牽制があるため、月島は他の攻撃を仕掛ける余裕がなく、天雷を避けることで精一杯だった。