今や彼は両足の痺れを感じ、意識を失いかけていた。
月島涼でさえ、この青髪の外国人が、ここまで強いことを認めざるを得なかった。自分は陽の加護を受けているにもかかわらず、宮原重樹の助けを借りてようやく彼に傷を負わせることができたのだ。
「雷、大丈夫か!」
カールたちは雷が傷を負ったのを見て、驚きを隠せなかった。これは彼らが初めて雷が血を流すのを目にした瞬間だった。
もし彼らが今、何もできず、雷に守られているような状況でなければ、こんなことにはならなかったはずだ。カールたち三人は自責の念に駆られた。
艶やかな舌先で口角の血を軽く舐めると、雷の表情が初めて明確に変化した。
怒り、血に飢えた殺意!
自分をここまで追い詰めた者は、決して許せない!
仲間の心配も無視して、雷の目から青い光が強く放たれ、体を取り巻く電光が突然狂暴になった。空間全体の気流が乱れ、急激な暴風が吹き荒れ、巻き上げられた砂塵が天地を覆い、瞬時に全員の視界を遮った。
この強大で不気味な力は、馬場絵里菜たちを本当に驚かせた。
馬場絵里菜は今、体に傷を負い、月島は両足が痺れている状態だった。しかし、たとえそのような状況でなくても、この自然を操る力の前では、誰も抵抗する術がなかった。
この雷は、一体どれほどの強さを持っているのか?
今や雷は暴走寸前の状態にあった。これほどの年月を経て、初めて血を流す味を知ることになった。
砂塵の中、地面が突如として亀裂を生じ、強大な電流が地下から噴き出し、まるで地下を高速で泳ぐ狂った龍のように、馬場絵里菜たちに向かって猛烈な勢いで突進してきた。
この強力な一撃に対して、馬場絵里菜たちは空を飛ぶか地中に潜るかしない限り、まったく防御の手段がなかった。
山本陽介は歯を食いしばり、体から激しい緑色の聖の光を放ち、死を覚悟したかのような口調で、後ろの二人の長老と門主を守るべく、大声で叫んだ。「潮生神力、玄亀の盾!」
これは山本陽介の補助能力の中で最強の防御術であり、空中で亀の鳴き声が轟くと、馬場絵里菜たちの前に巨大な緑色の半透明の亀の甲羅が現れた。
玄亀は上古四大神獣の一つである玄武の亀であり、伝説によるとその甲羅はあらゆる攻撃を防ぐことができ、朱雀の炎でさえも傷つけることができないとされている。