ずっと黙っていた井上裕人がこの時、一言勧めた。
井上お爺さんの心の中で裕人の地位は誰にも及ばないもので、この一言だけで、ずっと断っていたお爺さんは頷いた。「よし、お前たちの言う通りにしよう。一つやろう!」
長老たちは何気なく視線を交わし、心の中で苦笑した。自分たちがどれだけ説得しても、孫の一言には及ばないのだ。
「そうそう」井上お爺さんは何か思い出したかのように、執事の古谷さんに向かって言った。「古谷さん、あのパーティーの招待状を持ってきてくれ。」
古谷さんは頷いて、玄関の棚に向かい、引き出しを開けて、中から金色の豪華な封筒を取り出した。
お爺さんはそれを受け取ると、すぐに裕人に渡し、さりげなく説明した。「裕人、これは今年の朗星パーティーの招待状だ。三日後にお前が私の代わりに行ってくれ。」