第673話:ゲームは勝つためにあるのよ!

最後、馬場長生と井上裕人の二組は男性が演技をして女性が当てることに決まった。

一方、新田愛美と白川昼は女性が演技をして男性が当てることになった。

試合時間は4分間で、くじ引きの順番により、最初のペアは馬場長生と橋本好美だった。

他の人は後ろに下がり、鈴木秋は他の観客に注意を促さざるを得なかった。「皆さん、ゲームを楽しむ精神を持って、ヒントを出さないようにお願いします。」

「勝ちたい?」

馬場絵里菜が井上裕人の横に立っていると、頭上から突然彼の声が聞こえてきた。

顔を上げると、井上裕人の深い瞳と目が合った。馬場絵里菜は頷いて言った。「もちろんよ。ゲームは勝つためにするものでしょう?そうでなければ何のために遊ぶの?」

それに勝てばルーレットを回して寄付ができる。最終的には井上裕人や井上財閥の名義で寄付されることになるだろうけど、結局は意味のあることだし、寄付する人が誰かは重要ではない。

井上裕人はその言葉を聞くと、突然口角を上げ、低い声で言った。「分かった。」

馬場絵里菜は眉間にしわを寄せ、井上裕人を深く見つめながら心道した。『なんだか変だわ。』

一方、ゲームはすでに始まっており、橋本好美はステージの片側に立ち、後ろには二人のスタッフがいた。一人は問題のボードを持ち、もう一人は正解した問題や諦めた問題を剥がす担当だった。

馬場長生はステージの反対側に立ち、すでに最初の問題の演技を始めていた!

「四文字で、スポーツの一種で、二人でやるもの!」馬場長生は言いながら、腰を曲げて手を振る動作をした。

橋本好美はすぐに答えた。「卓球!卓球をする!」

鈴木秋:「正解です。次の問題!」

「三文字!」言い終わるや否や、馬場長生は革靴を履いたまま突然つま先に力を入れ、全身をつま先立ちにし、両手を水平に広げ、さらにつま先で二歩歩いた!

橋本好美:「バレエ!」

鈴木秋:「正解です。次の問題!」

今度は馬場長生は動作をせず、直接言った。「三文字で、私と息子は大好きだけど、娘は嫌いなもの。」

橋本好美:「ドリアン王?ドリアンケーキ?ドリアンパイ?」

橋本好美は明らかにゲームが上手く、馬場長生が言っているのがドリアンだと即座に理解し、三文字となるとドリアンを使った食べ物に違いないと考え、一気に複数の答えを言った。