そう言いながら、高橋桃の視線は高遠晴の手に握られたハンカチに落ちた。「これは私が初めて作ったハンカチなの。でも結構満足してるわ。気に入らないなんて言わないでね」
「そんなことないよ」高遠晴はそのハンカチを丁寧にしまいながら言った。「とても気に入ったよ」
高橋桃はその言葉を聞いて、思わず嬉しさがこみ上げ、瞳に光が宿った。「本当?よかった。気に入らないんじゃないかって心配してたの」
彼女は高遠晴がいつも品質や細部にこだわる人だということを知っていたので、本能的に自分のハンカチが気に入らないんじゃないかと心配していた。でも彼が直接気に入ったと言ってくれたなら、きっと本当に気に入ってくれたんだろう。結局、高遠晴は表面上で人に取り繕うような人ではないはずだから。
そう考えると、高橋桃の心は次第に落ち着き、自然な様子になった。「もうすぐ朝読書の時間だから、教室に戻りましょう!」