第724章:タイトルなし

この時、隣のクラスからも歓声が聞こえてきた。明らかに秋の遠足の知らせを受け取ったようだ。

しかし、第二中学校の2年生は500人近くいるため、このような大規模な活動は本当に意外だった。

放課後、馬場絵里菜は藤井空の指示通り、まず学校の門で待つことにした。一緒に行く女子は高橋桃と柳澤夢子もいた。

柳澤夢子が来たのは明らかに高遠晴のためだった。同じクラスではあるが、普段は彼女たちとほとんど接点がなかった。夏目沙耶香によると、柳澤夢子の目には高遠晴しか映っておらず、高遠晴と仲の良い友達である彼らとも、柳澤夢子はあまり親しくしていなかったという。

あえて彼女たちの間に何か関連があるとすれば、それは前学期の一枚のハンカチが引き起こした出来事だろう。

当時、高橋桃のポケットにあったハンカチを柳澤夢子が見て、一目で高遠晴のものだと認識し、高橋桃に嫌がらせをしたのだ。