第723章:秋の遠足を企画する

馬場絵里菜は少し元気そうに見え、それを聞いて思わず笑って言った。「明日もまだ一日あるから、焦らないで」

「ああ、高校3年生は今、もう夜の自習が始まったって聞いたよ」と夏目沙耶香が言った。

そのとき、藤井空が突然二人の前に飛び出してきて、にっと笑って白い歯を見せた。「ねえ、この後どこに行く?」

夏目沙耶香はその様子を見て眉をひそめた。「どういう意味?何か予定があるの?」

藤井空は軽くあごを上げ、小声で言った。「この後、一中との間でバスケの試合があるんだ。行かない?」

馬場絵里菜と夏目沙耶香は思わず顔を見合わせ、そして夏目沙耶香が眉を寄せて尋ねた。「非公式の試合?」

いわゆる非公式の試合とは、正規ではなく、バスケットボール好きの人たちが自発的に組織した試合のことで、校外の親善試合とも呼べる。