第723章:秋の遠足を企画する

馬場絵里菜は少し元気そうに見え、それを聞いて思わず笑って言った。「明日もまだ一日あるから、焦らないで」

「ああ、高校3年生は今、もう夜の自習が始まったって聞いたよ」と夏目沙耶香が言った。

そのとき、藤井空が突然二人の前に飛び出してきて、にっと笑って白い歯を見せた。「ねえ、この後どこに行く?」

夏目沙耶香はその様子を見て眉をひそめた。「どういう意味?何か予定があるの?」

藤井空は軽くあごを上げ、小声で言った。「この後、一中との間でバスケの試合があるんだ。行かない?」

馬場絵里菜と夏目沙耶香は思わず顔を見合わせ、そして夏目沙耶香が眉を寄せて尋ねた。「非公式の試合?」

いわゆる非公式の試合とは、正規ではなく、バスケットボール好きの人たちが自発的に組織した試合のことで、校外の親善試合とも呼べる。

しかし、このような試合は一般的に比較的人里離れたバスケットコートや学校のバスケットコートで行われ、バスケットボール館では試合ができない。

藤井空はうなずいた。「テストで一日中疲れたから、リラックスしに行こうよ。俺たちを応援してくれよ!」

夏目沙耶香はその場で口をとがらせた。「わざと行かないわけじゃないのよ。この後、会社に行かなきゃいけないの。今日は重要な用事があるから」

「え?」藤井空はそれを聞いて、すぐに失望した表情を浮かべた。「君がいないと、やる気が出ないよ」

夏目沙耶香はそれを聞いて目を回した。「じゃあ負けを認めなさいよ!」

「そんなわけにはいかないよ!」藤井空は目を見開いたが、夏目沙耶香にこれ以上しつこく言うことはできなかった。結局、彼女は今エンターテイメント会社と契約を結んでいるので、そちらの方が重要なのは確かだ。

「馬場絵里菜、君はどう?」藤井空は視線を馬場絵里菜に向け、期待に満ちた目で見つめた。

馬場絵里菜はあっさりとうなずいた。「私は問題ないよ、行けるよ」

どうせ今日は模擬テストだから、宿題はないはずだ。

藤井空はそれを聞いて目を輝かせた。「気が利くね!」

「当然でしょ!」馬場絵里菜は笑った。

話している最中に、菅野將が教室の外から入ってきた。藤井空はそれを見て、急いで自分の席に戻った。