その後、振り返って生徒たちに言った。「みなさん、これからルームキーを受け取って荷物を部屋に置いてください。ホテルの4階と5階にはレストランがあり、すでに昼食が用意されています。みなさん自由に食事をしてください。午後の活動については、先生から別途お知らせします。」
「3人で1部屋です。名前を呼ばれた生徒はスタッフのところへ行ってルームキーを受け取ってください。エレベーターはホテルロビーの右側にあります。各階に着いたら、1階のボタンを押してエレベーターを戻すのを忘れないでください。人数が多いので、時間を節約しましょう。」
それ以上は言わず、菅野將は名前を呼び始めた。「馬場依子、鈴木由美、吉田清水。」
「林駆、高遠晴、藤井空。」
「菅野明、細田実、細田海。」
……
最後に、やっと夏目沙耶香たちの名前が呼ばれた。「夏目沙耶香、馬場絵里菜、高橋桃。」
3人は顔を見合わせて微笑み、前に出てキーを受け取ると、バッグを背負ってホテルのロビーへと走っていった。
エレベーター前には他のクラスの生徒たちが大勢集まっていた。このホテルは左右に各3台、合計6台のエレベーターがあったが、500人以上の生徒が一斉に押し寄せるには明らかに力不足だった。
馬場絵里菜はこの機会にホテルのロビーを何気なく見回した。5Aレベルの観光地なので、このランクを維持するためには、観光地のすべての施設が基準を満たす必要があり、ホテルも例外ではなかった。
そのため、この青葉湖グランドホテルは五つ星には及ばないものの、規模はかなり大きく、ホテルの建物も高級感があり、ロビーの様子から見ると、ここ1、2年でリノベーションされたようだった。
「あなたたち、この後レストランで昼食を食べる?」高橋桃が突然二人に尋ねた。
馬場絵里菜はそれを聞いて我に返り、彼女を見て聞いた。「どうしたの?昼食を食べたくないの?」
高橋桃は少し元気なく頷いた。「ちょっと車酔いしたみたい。少し寝たいな。そうしないと午後の活動に元気が出ないよ。」
「私も食べたくないわ。部屋でスナックを食べるだけにしない?」夏目沙耶香が提案した。
二人とも行かないなら、馬場絵里菜は一人で行っても面白くないと思い、頷いた。「それでいいよ。」