第742章:誰が持ってきたワイン?

電話の向こうは藤井空だった。「もう上がってきたの?何号室?」

「1613だよ!」夏目沙耶香が答えた。

藤井空が何か言ったが、それに驚いた夏目沙耶香は慌てて断った。「いや、来ないで。私たちが行くから!」

電話を切ると、困惑した表情の馬場絵里菜と高橋桃に言った。「彼らが私たちの部屋にお菓子を食べに来たいって言ってたけど、断ったわ。お菓子を持って私たちが行きましょう」

馬場絵里菜はそれを聞いて笑った。「来たいなら来させればいいじゃない?」

「絶対嫌!」夏目沙耶香はきっぱりと否定した。「部屋がめちゃくちゃになるわよ」

高橋桃は横で微笑んで何も言わなかった。馬場絵里菜も苦笑いするだけで、二人とも気にしていないようだった。

適当にお菓子を詰めて、みんなが出かけようとした時、部屋の固定電話が突然鳴った。