第745章:私も参加する

女子も参加するの?

クラスメイトたちはこれを聞いて、思わず台の上の食材を見つめた。それぞれ盆に盛られており、走っていくのは良いとして、女子が肉の盆やジャガイモの盆を持って走り戻ってくるなんて、疲れ果ててしまうのではないか?

「女子は軽いものを選んで取りに行きなさい。先生からもう一度言いますが、安全に気をつけて、無理はしないように」菅野將が言った。

藤井空はクラスのスポーツ特待生で、こういう競技には欠かせない存在だった。

「参加してみない?美味しいものを取ってきてよ!」馬場絵里菜が突然月島の前に寄って、小声で笑いながら尋ねた。

月島がどれだけ速く走れるか、馬場絵里菜が一番よく知っていた。それに、彼女は月島がこういうゲームに参加する姿を見たいと思っていた。

それを聞いて、月島涼は眉をわずかに寄せ、明らかにこういうことに参加するのはあまり好きではないようだったが、口では「君が行って欲しいの?」と言った。

「そんなことないわ!あなたが参加したくないなら、私が強制できるわけないじゃない!」馬場絵里菜は笑顔で言い、さらに続けた。「私はクラスの夕食のことを考えているだけよ。他のクラスは皆、足の速い人たちが走るのに、最後に私たちの夕食が焼きジャガイモや焼きニラだけだったら、悲惨じゃない?」

月島涼は唇を軽く噛み、明らかに断りたいが、断る勇気がないようだった。

門主は強制しないと言ったが、彼女がそう言った以上、自分には拒否する権利はほとんどないのだろう。

「ねえ?私も一緒に行くわ、私も参加する」馬場絵里菜は遊び心が湧いてきて、本当に参加してみたいと思った。

前世の子供時代は灰色で、彼女はクラスや学校での影の薄い存在だった。どんなことも彼女の番が回ってくることはなかった。

だからこういうことに対して、彼女の心の中には常に隠れた後悔と憧れがあった。

これで、月島はようやく頷いた。「わかった」

菅野將はまだ人選をしていて、特に女子は誰も参加したがらなかった。

主に女子は走るのが遅く、力も弱いため、もしクラスメイトが望む食材を取れなかったら、不満を買うことになるのを恐れていた。

馬場絵里菜は突然手を挙げた。「先生、私と月島が参加します!」