「そうよね、学校は偏り過ぎよ」
高校3年生の生徒たちはさらに物憂げな表情を浮かべていた。
高校2年1組のバスは左側の最前列に位置していた。バスの前にはすでに多くの生徒が待っており、馬場絵里菜たちと同様に、みんなパンパンに膨らんだリュックを背負い、明らかにたくさんのお菓子を持ってきていた。
全員の顔に笑みが浮かび、学校が企画したこの大規模な秋の遠足に期待を膨らませているようだった。
7時になると、夏目沙耶香はクラス委員長として率先して人数確認を始めた。
全員揃ったところで、運転手がドアを開け、みんなが列を作って乗り込み始めた。7時半になると、同じ型式のバスが次々と第二中学校の正門から出発し、まるで一つの長い龍のように連なって壮観な光景を作り出した。
ちょうど朝のラッシュ時で、バスの車列は東京の渋滞に1時間以上巻き込まれてから東京都内を離れ、高速道路に乗ってからようやく安定した走行となった。