第739章:出発

「そうよね、学校は偏り過ぎよ」

高校3年生の生徒たちはさらに物憂げな表情を浮かべていた。

高校2年1組のバスは左側の最前列に位置していた。バスの前にはすでに多くの生徒が待っており、馬場絵里菜たちと同様に、みんなパンパンに膨らんだリュックを背負い、明らかにたくさんのお菓子を持ってきていた。

全員の顔に笑みが浮かび、学校が企画したこの大規模な秋の遠足に期待を膨らませているようだった。

7時になると、夏目沙耶香はクラス委員長として率先して人数確認を始めた。

全員揃ったところで、運転手がドアを開け、みんなが列を作って乗り込み始めた。7時半になると、同じ型式のバスが次々と第二中学校の正門から出発し、まるで一つの長い龍のように連なって壮観な光景を作り出した。

ちょうど朝のラッシュ時で、バスの車列は東京の渋滞に1時間以上巻き込まれてから東京都内を離れ、高速道路に乗ってからようやく安定した走行となった。

青森県は東京の北に位置し、本州の有名な県級市だ。青葉湖リゾートエリアは名高く、日本の5A級観光地であり、また日本六大淡水湖の一つでもある。

夏は青葉湖の観光シーズンだが、第二中学校が今回開催する学校の秋の遠足は夏休みのピークを避けており、9月はすでに青葉湖のオフシーズンで、これらの学生たちの宿泊手配を一度に受け入れることが十分可能だった。

道中、菅野將はバスのマイクを持って生徒たちにこの遠足の安全注意事項を説明した。

「皆さん、今回の遠足は高校2年生全員と十数名の引率教師を含め、人数が多いため、安全問題は学校が最も重視していることです」

「以前にもお話ししましたが、今回の遠足の目的地は青葉湖リゾートエリアで、その後青葉山にも行きます。湖でも山でも、皆さんには自分の安全に注意してほしいと思います。毎日の活動が終わった後、夕食を食べたら、できるだけ勝手に外出しないようにしてください」

「9月は気温が下がってきますので、湖で水遊びをしようとは思わないでください。風邪をひくのは軽いことですが、万が一本当に危険なことが起きたら大変です」

「今回の遠足では、学校が非常に楽しいゲームや生活実践活動を用意しています。皆さんに充実した忘れられない経験をさせることは間違いありません。この機会に友達との絆を深め、気分をリラックスさせることができるのは、とても良いことです」