太陽が沈むと、あっという間に辺りは暗くなった。湖岸の周りには観光地の投光器があったため、みんのバーベキューには支障がなかった。
みんなは会話を楽しみながら食事をし、時折耳に響く笑い声が聞こえてきた。
空にはまだ月が昇っておらず、わずかに数個の星が天空に現れ、明滅しながら光を放っていた。
周囲の全てを感じながら、馬場絵里菜の気分は最高潮に達していた。それは内側から湧き上がる青春の喜びであり、生まれ変わってから初めて、本当にクラスの集団に溶け込めたと感じる瞬間だった。
そして、これこそが彼女の前世での心残りだったのだ。
「これ、食べてみて。私が焼いたんだ」
高遠晴が高橋桃の側に歩み寄り、焼きエビの串を彼女の前に差し出した。
高橋桃は他のクラスメイトと話していたが、その光景を見て笑顔が思わず凍りついた。