小林強輝は眠そうに言った。「なくなったならなくなっただけさ!宝くじで五百万円当たったわけじゃないんだから!」
しかし、大川素濃は非常に興奮して、自分が幻覚を見たのではないかと心配になり、再び化粧台の前に座って、自分の顔を注意深く観察した。
本当になくなっている!
昨夜まで赤くて大きかったニキビが、一夜にして不思議なことに消えていた。
大川素濃は昨日ニキビがあった場所を触りながら、「これは本当に不思議だわ!」と言った。
彼女は自分が夢を見ているのではないかとさえ疑った。
そして、気のせいかもしれないが、ニキビが消えただけでなく、肌全体もずいぶん滑らかになったように感じた。
小林綾乃は本当にすごい!
大川素濃は美容マニアで、以前にもたくさんのニキビケア製品を使ってきたが、効果はとても普通だった。
数千円もする高級ブランドのスキンケア製品でさえ、完全に除去することはできなかった!
実際に体験していなければ、絶対に信じられなかっただろう!
興奮した気持ちを抱えながら、大川素濃は小林桂代の寝室のドアの前に来て、「お姉さん、起きてる?」と声をかけた。
小林桂代は服を着ているところだった。
声を聞いて、彼女は壁に掛かっている時計を見た。
朝の六時。
大川素濃がなぜこんなに早く起きているのだろう?
今日は土曜日で、普段なら大川素濃は七時過ぎまで起きないはずだ。
義理の妹が昨夜小林綾乃のスキンケア製品を塗ったことを思い出し、小林桂代は心配になった。スキンケア製品に何か問題があって、肌が荒れてしまったのではないだろうか?
なんてこと!
どうしよう?
小林桂代はすぐにドアを開けに走った。
「はいはい!」
ドアを開けると、小林桂代は心配そうな顔で「素濃、大丈夫?」と尋ねた。
「大変なの!とんでもないことが!」大川素濃は続けて「お姉さん、私の顔を見て!」と言った。
これを聞いて、小林桂代はさらに心配になった。
大川素濃は続けて「お姉さん、見えた?私の顔のニキビが消えたの、全部なくなったの!綾乃ちゃんって本当にすごいわ!」
これを聞いて。
小林桂代はほっと息をついた。
この早朝から、彼女の気持ちはジェットコースターのようだった。
しばらくして、小林桂代は大川素濃の顔を見上げ、驚いて「本当になくなってる!」と言った。