033:とんでもない話

「鉄屋?」

山下言野は説明しようとしたが、この呼び方を聞いた時、思わず口角が上がった。

まあいいか、説明するのはやめよう!

子供が気に入ったなら。

そのままにしておこう。

どうせ呼び方の問題だけだし。

「はい。」

小林綾乃は目を細めて笑い、「今日は本当に助かりました。まだ用事があるので、先に帰ります。」

山下言野は軽く頷いて、「気をつけて帰ってね。」

「はい、鉄屋さん。」小林綾乃は自転車で去っていった。

それを聞いて、山下言野の顔には苦笑いが浮かんだ。

鉄屋か。

子供は本当によく言えるものだ。

振り返ると、小林綾乃は眉を少し上げた。

こんなにイケメンなのに。

なんで鉄屋なんて呼ぶの?

イメージダウンじゃない!

小林綾乃が自転車で去った後、山下言野も自転車に乗った。

30分後。