052:紹介のお願い

「結果はとても悪いのですか?」

「メラニンに癌化のリスクがあるのですか?」

その言葉を聞いて、山下文空の頭が真っ白になり、額に冷や汗が滲んだ。彼はテーブルの角を掴んで、やっと倒れずに済んだ。

山下文空は必死に冷静さを保とうとしたが、震える声は自分を裏切った。「な、なんですって?」

電話の向こうで安田振蔵は先ほどの言葉を繰り返した。「山下さん、すぐにおばあさまを病院へお連れください!」

「はい、はい!」

向こうが電話を切った直後。

バン。

山下文空の手から受話器が床に落ちた。

山下言野はすぐに山下文空の側に行き、彼を支えた。「叔父さん、どうしたの?」

山下文空は深く息を吸い込んだ。「急いで!行くぞ!今すぐおばあちゃんを病院に連れて行かなければ!」

それは癌なのだ!

命取りになるものだ。