「結果はとても悪いのですか?」
「メラニンに癌化のリスクがあるのですか?」
その言葉を聞いて、山下文空の頭が真っ白になり、額に冷や汗が滲んだ。彼はテーブルの角を掴んで、やっと倒れずに済んだ。
山下文空は必死に冷静さを保とうとしたが、震える声は自分を裏切った。「な、なんですって?」
電話の向こうで安田振蔵は先ほどの言葉を繰り返した。「山下さん、すぐにおばあさまを病院へお連れください!」
「はい、はい!」
向こうが電話を切った直後。
バン。
山下文空の手から受話器が床に落ちた。
山下言野はすぐに山下文空の側に行き、彼を支えた。「叔父さん、どうしたの?」
山下文空は深く息を吸い込んだ。「急いで!行くぞ!今すぐおばあちゃんを病院に連れて行かなければ!」
それは癌なのだ!
命取りになるものだ。