053:永田徳本の末裔、大物の手腕(初回購読、1万字の章)_2

山下おばあさんは本当に面白い人だ。

彼女はいつも高級化粧品を使っていたのに、どうして数千円の無認可商品に興味を持つようになったのだろう?

姑と嫁の言い争いがますます激しくなるのを見て、山下言野はタイミングよく口を開いた。「おばさん、何と言っても、おばあさんは人に勧められて病院に来たんだから、私たちはちゃんとお礼を言うべきですよ」

もし山下おばあさんの言う綾乃さんがいなかったら、がん細胞が転移してから病気が発見されていたかもしれない。

そうなってからでは、すべてが手遅れだった!

偶然であろうとなかろうと。

彼女は山下家の恩人だ。

言い終わると、山下言野は山下おばあさんを見て、「おばあさん、彼女の住所を教えてください。私が直接お礼に伺います」

それを聞いて、山下文空は言った。「母さん、三男の言う通りだ。私も一緒に行くよ」

山下おばあさんは笑って言った。「あなたたち二人のがさつな男が行ったら、相手を驚かせてしまうでしょう?安心して、私が考えているから!」

お礼の件は、じっくり考えなければならない。

白川露依は何か言いたそうだったが、言葉は口まで出かかって飲み込んでしまった。

おばあさんは今、子供の戯言を信じて取り憑かれているが、顔がボロボロになってから事の重大さに気付くだろう。

——

中村忠正夫妻が海外旅行から帰ってきたばかりの時、南通りが5A級観光地に指定されたと聞いた。

それを聞いて、二人とも信じられない様子だった。

あんな南通りのような場所が、どうして5A級に評価されるのだろう?

義姉の田中花子は意地悪そうに言った。「うちの店舗を以前貸さなくて良かったわ。今は家賃が月30万円にもなってるのよ。オーナーグループでは、来季には40万円に上げる計画を立てている人もいるわ」

そう、田中花子はわざとそう言ったのだ。

なぜなら、中村忠正が以前、夫の前で店舗を5年の長期契約でバカな借主に貸したと自慢していたからだ。

夫はその時、うらやましがって、自分もそんな借主に出会えたらと嘆いていた。

今となっては?

中村忠正はきっと後悔して飛び降りたくなっているだろう?

月40万円で計算すると、5年で少なくとも2000万円の損失だ。

中村忠正の妻、古川月は眉をひそめて、「お姉さん、その情報は確かなの?」