053:永田徳本の末裔、大物の手腕(初回購読、1万字の章)_9

三兄の恋のライバルは本当に多いようですね!

しばらくして、一橋景吾は続けて尋ねました。「君はどんな男性が好みなの?」

小林綾乃はストローをカップに差し込みながら、自分の好みのタイプを列挙し始めました。「もちろん身長190cm以上のイケメンで、体型がいい人。六パックの腹筋に、ラインがキレイで、肩幅が広くて...」

以前の彼女は実験に忙しく、恋愛経験もなく...当然彼氏もいませんでした。

彼女のような顔フェチが彼氏を探すなら、自分を妥協するわけにはいきません。

それを聞いて、山下言野は無意識に自分の腹部に触れました。

長い間トレーニングしていないから、腹筋とラインがまだ残っているかどうかわからない!

この行動はほとんど無意識的で、山下言野本人さえ気づいていませんでしたが、一橋景吾は彼の些細な動きを全て見逃しませんでした。

彼は三兄が小林に気があるのを知っていました。

しかし、小林は一目で手ごわい相手だとわかりますし、簡単に落とせる女の子ではありません。

ちっ。

彼は三兄の追っかけ道のりがますます楽しみになってきました。

——

タピオカミルクティーを飲み終わって戻ったのは、午後4時でした。

小林国史は小林綾乃が帰ってくることを知っていて、すでに我慢できずに小さな中庭の門の前で彼女のタピオカミルクティーを待っていました。

小林綾乃の姿を見るとすぐに彼女の腰に抱きついて、「お姉ちゃん、おかえり」と言いました。

小林綾乃は彼の小さな頭を撫でながら笑って言いました。「果留、タピオカミルクティーは自転車のかごの中よ、自分で取ってきて」

「ありがとう、お姉ちゃん」

小林国史は跳ねながらタピオカミルクティーを取りに行きました。

ちょうどそのとき、城井沙織が鞄を背負って外から入ってきて、視線が小林綾乃に落ち、目の中は嫌悪感でいっぱいでした。

この気持ち悪い田舎者、よくもまだここにいられるわね。

不思議なことに。

城井沙織は前回の出来事の後、中庭での小林綾乃と小林桂代についての噂がますます広がると思っていました。

しかし予想外にも。

この件は彼女の予想通りには進まず、ここ数日は誰も話題にすらしていませんでした。

いつもおしゃべりな藤原巧でさえ大人しくなっていました。

まるで全員がこの件を忘れてしまったかのようでした。