「そうですね」と田中先生は頷いて、「分かりました。すぐに調べてきます」と言いました。
王丸主任も財務室の方向へ走っていきました。
しばらくして。
田中先生も校長室に来て、「校長先生、小林綾乃は私のクラスの城井沙織の親戚です。具体的な部屋番号は残していませんが、城井沙織の家がどこにあるか知っています」と言いました。
城井沙織と小林綾乃が親戚なら、きっと小林綾乃の住所を知っているはずです。
校長は即座に「何をぼんやりしているんですか?早く案内してください!今すぐ城井沙織を探して、彼女に小林綾乃のところまで案内してもらいましょう」と言いました。
「はい」と田中先生は頷きました。
校長は田中先生と数人の学校幹部を連れて、堂々と銀杏通りの城井家が住む安住マンションの方向へ向かいました。
朝の8時半。
城井沙織はちょうどジョギングに行こうと起きたところで、バルコニーに立って校長が数人の学校幹部を連れて中庭に入ってくるのを見ました。
城井沙織は目の錯覚かと思いました。
目をこすって確かめました。
間違いありません。
前を歩いているのは確かに校長でした。
校長の隣にいるのは自分の担任の田中牡丹でした。
田中牡丹は何をしに来たのでしょう?
しかも校長と学校幹部の一団を連れて。
もしかして、数学コンクールの成績が良くて推薦入学枠の一つを獲得できたので、校長が直接知らせに来たのでしょうか?
そうに違いありません。
きっとそれが理由です。
それ以外に、城井沙織は他の理由を思いつきませんでした。
そのことに気付いた城井沙織は、すぐに部屋に戻って綺麗な服に着替え、この良い知らせを家族に伝えました。
このことを知った小林桂美は嬉しくて仕方がなく、夫と姑を引っ張って「定邦、お母さん、大川校長を迎えに行きましょう」と言いました。
城井お母さんは頷き、喜びに満ちた表情を浮かべました。
彼女は自分の孫娘が優秀だと知っていました。
ほら見てください。
簡単に京大の推薦入学を勝ち取ったのです。
他の人にできるでしょうか?
絶対に無理です!
小林桂美は何かを思い出したように「弟の嫁と姉を呼んでくるわ」と言いました。
このような良い出来事は、当然大川素濃と小林桂代にも共有すべきです。
結局、大川素濃とは1000元の賭けをしているのですから!