「小林綾乃、おめでとう」
「一位?」
その瞬間、空気が凍りついた。
特に城井沙織は、顔が真っ青になり、大川校長を見つめたまま、目には信じられない色が浮かんでいた。
いいえ。
そんなはずない。
小林綾乃が一位なんて、どうして?
あの田舎者が!
彼女にそんな資格があるはずない!
小林桂美も呆然として、大川校長を見つめながら、なんとか冷静を保とうとして言った。「あの、間違いではないでしょうか?」
「間違い?」大川校長も驚いて、「城井沙織は小林綾乃の従妹ではないのですか?」
田中先生は眉をひそめた。
城井沙織がクラスメートにそう言っていたはずなのに。
どうして間違えるはずがあるのか?
城井お母さんはすぐに城井沙織の前に立ち、大川校長を見て言った。「うちの沙織の推薦入学のお知らせではないのですか?」