057:なんて凄い大物、西京の徳川家

「小林綾乃、おめでとう」

「一位?」

その瞬間、空気が凍りついた。

特に城井沙織は、顔が真っ青になり、大川校長を見つめたまま、目には信じられない色が浮かんでいた。

いいえ。

そんなはずない。

小林綾乃が一位なんて、どうして?

あの田舎者が!

彼女にそんな資格があるはずない!

小林桂美も呆然として、大川校長を見つめながら、なんとか冷静を保とうとして言った。「あの、間違いではないでしょうか?」

「間違い?」大川校長も驚いて、「城井沙織は小林綾乃の従妹ではないのですか?」

田中先生は眉をひそめた。

城井沙織がクラスメートにそう言っていたはずなのに。

どうして間違えるはずがあるのか?

城井お母さんはすぐに城井沙織の前に立ち、大川校長を見て言った。「うちの沙織の推薦入学のお知らせではないのですか?」