まだ数問しか解いていないうちに、小林国史は頭を掻きながら「お姉ちゃん、分からない問題があるんだ。教えてよ」と言った。
小林綾乃は携帯を置いて、小林国史の側に歩み寄った。
小林国史のテスト用紙を見た時、彼女は頭を抱えた。
叔父さんと叔母さんは知識人だから、従弟の成績はきっと良いはずだと思っていた。
しかし予想外だった。
彼の成績は...
散々なものだった。
簡単な○×問題でさえ、いくつも間違えていた。
小林綾乃は思わずため息をついた。
三つの大問を教えた後、次は四字熟語の空欄補充だった。
()水()流。
小林国史は袖をまくり上げ、「お姉ちゃん、これは得意分野だよ!」
小林綾乃はほっと息をついた。やっとこの子の得意分野に出会えた。
本当に疲れた。
子供の宿題を見ていて心臓発作を起こす親の話がニュースになるのも無理はない!
「じゃあ、書いてみて」と小林綾乃は言った。
小林国史はすぐに筆を取った。
答えを見た時、小林綾乃は思わずこの子に親指を立てたくなった。
なんと、彼が書いたのは:(口)水(直)流!!!
天才!
そして小林国史は可愛らしい小さな頭を上げ、丸くて大きな目で小林綾乃を見つめ、褒められるのを待つような表情で「お姉ちゃん、すごいでしょ?」と言った。
小林綾乃:「...」
「正解は細水長流よ」
それを聞いて、小林国史は頭を掻きながら「え?違うの?」
彼は次の問題に取り掛かった。
次の解答に小林綾乃は呆気にとられた。
四字熟語の空欄:五()四()。
この子は突飛な発想で「五八四十」と書いた。
正解のようで。
でも違うようで。
小林綾乃自身も自信がなくなってきた。
小林綾乃の表情を見て、小林国史は恐る恐る「お姉ちゃん、また間違えた?」と尋ねた。
「五八四十は九九の掛け算よ。これは四字熟語の問題だから、もう一度よく考えてみて」
小林国史は首を傾げながら一生懸命考えた。
丸一時間かかってようやくテスト用紙の半分を終えた。
小林綾乃はくたくたに疲れていた。
しばらくして、大川素濃と小林桂代が店から戻ってきた。
小林綾乃が小林国史の宿題を見ているのを見て、大川素濃は笑いながら「綾乃、果留の学習能力はどう?」と聞いた。
それを聞いて、小林国史は得意げに顔を上げ「お姉ちゃんが、七竅六竅通ってるって!」