054:満壺の水は音を立てず、半壺の水は音を立てる_4

まだ数問しか解いていないうちに、小林国史は頭を掻きながら「お姉ちゃん、分からない問題があるんだ。教えてよ」と言った。

小林綾乃は携帯を置いて、小林国史の側に歩み寄った。

小林国史のテスト用紙を見た時、彼女は頭を抱えた。

叔父さんと叔母さんは知識人だから、従弟の成績はきっと良いはずだと思っていた。

しかし予想外だった。

彼の成績は...

散々なものだった。

簡単な○×問題でさえ、いくつも間違えていた。

小林綾乃は思わずため息をついた。

三つの大問を教えた後、次は四字熟語の空欄補充だった。

()水()流。

小林国史は袖をまくり上げ、「お姉ちゃん、これは得意分野だよ!」

小林綾乃はほっと息をついた。やっとこの子の得意分野に出会えた。

本当に疲れた。

子供の宿題を見ていて心臓発作を起こす親の話がニュースになるのも無理はない!