小林桂美は考えれば考えるほど興奮してきた。
その言葉を聞いて、城井沙織の目には軽蔑の色が隠しきれないほど浮かんでいた。「王丸均は学年で300位にも入れないのに、どうやって競技の通知をもらえるというの?」
誰でも自分と肩を並べられると思っているの?
小林桂美は城井沙織を誇らしげに見つめながら言った。「沙織、これからは城井家の名を上げるのはあなたよ!」
小林桂美にはいつも不思議な第六感があった。
娘は普通の人間ではないと感じていた。
将来きっと大きな成功を収めるはずだと。
周知の通り、女性の第六感は常に最も鋭い。
だから。
この小さな青葉市もいずれは娘の天下になるはず。
そう言って、小林桂美は続けた。「そうそう沙織、今回の数学コンテストで上位20位に入れば特進クラスに入れるだけでなく、京大の推薦枠も抽選であるって聞いたけど本当?」