057:どんな神様の大物、西京の徳川家_5

渡辺さんの山本世月は興味深そうに尋ねた。「麗希、何を見ているの?ご飯も食べないで。」

「成績を確認しているの。」

それを聞いて、山本世月は呆れた表情を浮かべた。「何の成績?どこの学校に行きたいの?お父さんに校舎一棟寄付してもらえばいいじゃない!うちにはそれだけの力があるのよ!わざわざ試験を受けなくても...疲れないの?」

山本家は裕福で、最近小坂市から青葉市に引っ越してきたばかりで、渡辺麗希は転校生となった。

彼女は家が裕福だからといって、怠惰になることはなかった。

むしろ、とても努力家で、学業成績も常に優秀だった。

誰からも良い子だと言われていた。

「私はそれが好きなの」渡辺麗希は続けた。「お母さん、母親として、もっと良いことを教えてくれないの?いつも楽な方法ばかり勧めて!」

彼女はそれが嫌いだった。

山本世月は娘が変わり者だと思っていた。

人として生まれたのに、享受することを知らないなんて。

しばらくして、山本世月は続けて聞いた。「じゃあ、今回の試験はどうだった?」

「まあまあ良かったわ。」

山本世月は箸を置いて、「良かったのなら、そんなに急いで成績を見る必要があるの?」

普段は山本世月がこれほど成績を気にすることはなかった。

彼女は勉強好きではあったが。

それほど執着するほどではなかった。

渡辺麗希は言った。「試験を受けた日に、素敵な友達ができたの。彼女はすごく優秀で、きっと青葉高校に合格するはずだから、ちょっと気になって。」

「男の子?女の子?」山本世月は眉を少し上げた。

渡辺麗希は母親を白い目で見た。「もちろん女の子よ!」

山本世月は途端に興味を失った。「ああ。」

言い終わると、渡辺麗希は画面をタップして成績を確認し続けた。

次の瞬間。

パッと。

元は空白だったページに、突然成績表が表示された。

総合点を見た渡辺麗希は嬉しさのあまり飛び上がり、山本世月を抱きしめた。「お母さん、私、試験に合格したわ!合格したの!」

山本世月は笑いながら言った。「合格しなくたってどうってことないでしょう?うちの力があれば、どこの高校だって行きたいところに行けるのよ?」

渡辺麗希:「...」

次の瞬間、彼女は続けて言った。「すぐに綾乃にこの良い知らせを伝えなきゃ。」