061:調査に着手、小林桂代の身世

鈴木赤玉の心に重くのしかかっていた大きな石が、小口貞那の言葉を聞いて、ようやく地に落ちた。

徳川勝が無事でよかった。

小口貞那は鈴木赤玉の方を向き、口角に薄い笑みを浮かべた。「赤玉、あなたのような孝行な姪がいるのは、叔母さんと叔父さんの幸せよ」

幸せ?

その言葉を聞いて、鈴木赤玉は俯いた目の奥に寂しげな表情を浮かべた。

彼女は鈴木澪由と徳川勝に孝行を尽くしていた。

決して逆らうことはなかった。

何事も彼らの意向に従っていた。

他人でさえ、実の娘でもここまでできないだろうと言うほどだった。

しかし鈴木澪由と徳川勝は、それを幸せだとは思っていなかった。

彼らは彼女の気持ちを考えることなく、常に徳川秋水のことばかり考え、彼女を徳川グループの内部に入れることさえ許さなかった...