その言葉を聞いて、鈴木赤玉の心臓が早鐘を打った。
鈴木澪由は相続の件について話そうとしているのだろうか?
そうでなければ。
なぜこんなにも厳かな様子なのだろう?
書斎で話をする必要があるのだろうか?
そう。
きっとそうに違いない。
長年の待ちわびた努力が実を結ぶと思うと、鈴木赤玉は興奮を抑えきれず、鈴木澪由の後を追った。
書斎に着くと、鈴木赤玉はドアをしっかりと閉めることも忘れなかった。
「おばさま、何かお話があるのですか?」
鈴木澪由は書斎の椅子を指差して、「座りなさい」と言った。
鈴木赤玉は鈴木澪由の前に座った。ついにこの日が来たと思うと、少し緊張していた。
なぜなら。
もうすぐ彼女は徳川家の当主になるのだから。
今日からは高い地位にある徳川当主になれると思うと、鈴木赤玉の心は喜びで一杯だった。