屋台街には美味しい食べ物がたくさんありました。
その時、山下おばあさんの視線が一つの屋台に止まり、目を輝かせながら言いました。「あれは私の大好物じゃない?」
「何ですか?」鈴木澪由は興味津々で尋ねました。
山下おばあさんは隣の手作り辛子スナックの屋台を指さして言いました。「あれよ!私、大好きなのよ!」
西京に来てから、もう何日も辛子スナックを食べていませんでした。
良かった!
夜にまた豚のように食べられる。
そして、その夜、鈴木澪由は山下おばあさんが一気に三袋の辛子スナックを平らげるのを目の当たりにしました。
「辛くないんですか?」鈴木澪由は喉を鳴らしました。
鈴木澪由は薄味派で、一口も食べていませんでしたが、見ているだけで空気まで唐辛子の香りで満ちているように感じました。
鼻が刺激的でした。
「辛くないわよ、全然辛くない!」
山下おばあさんにとって、天より地より辛子スナックが一番でした。
鈴木澪由はさらに言いました。「そんなに辛いものを食べて、お肌に問題が出ないか心配じゃないんですか?」
肌の話題が出ると、山下おばあさんは急に元気になり、鈴木澪由にお勧めを始めました。「大丈夫よ!私には秘密兵器があるの!」
「どんな秘密兵器ですか?」鈴木澪由は興味深そうに尋ねました。
山下おばあさんはすぐに化粧台から蓮の露フェイスクリームを取り出し、「ほら、これよ。美人亭というスキンケア製品なの。効果が本当に素晴らしいのよ。有名ブランドではないけど、成分がとても安全なの」
「蓮の露シリーズはニキビケア用で、フェニックスシリーズは美白とシミ取り用よ」
西京に来る時、白川露依は山下おばあさんの肌が荒れないか心配で、もし顔に何か問題が出たら直ぐに電話するように言い付けていました。
でも今は。
山下おばあさんの顔には何の問題もなく、むしろ状態は良くなる一方で、顔のシミはほとんど見えなくなっていました。
鈴木澪由は驚いて山下おばあさんを見つめ、「なるほど、今年はお肌の調子がとても良いと思っていましたが、スキンケア製品を変えたからなんですね」
山下おばあさんは頷きながら、「そうよ、そうよ。あなたにも使ってみることをお勧めするわ。ちょうど予備のセットを持ってきているの」