「もういいわ、私には縁がないみたい」高級化粧品に慣れている白川露依は、自分の顔で冗談を言うつもりはなかった。
それに。
白川露依は義母が自分を騙しているような気がしていた。
効果がそんなに早く出る化粧品なのに、副作用が全くないなんて。
誰が信じるというの?
それに山下おばあさんは今ビデオ通話をしたがらない。きっと顔がボロボロになって、人に会うのが恥ずかしいんでしょう。
この義母は本当に負けず嫌いね!
家族なのに。
恥ずかしがることなんてないのに?
白川露依は続けて言った:「お母さん、本当にお顔は大丈夫なの?今晩ビデオ通話しませんか?」
山下おばあさんは言った:「今晩は鈴木叔母さんと遅くまでおしゃべりする予定だから、あなたとビデオ通話する時間がないわ」
それを聞いて、画面の向こうの白川露依は目を細めた。
ほら見て。
やっぱり義母は顔がボロボロになって、人に会えないんだわ。
そう思い、白川露依はもう強くは言わず、続けて言った:「わかりました、お母さん。じゃあ切りますね」
「ええ」
電話を切ろうとした時、白川露依は何かを思い出したように、また言った:「お母さん、何か起きたら必ず私に知らせてくださいね。私たちは家族なんですから」
山下おばあさんは訳が分からないと思いながら、「露依、あなた何を言っているの?」
変なこと言って。
山下おばあさんの面子を立てるため、彼女はそれ以上追及せず、笑いながら言った:「お母さん、切りますね。西京で楽しく過ごしてください」
切れた電話を見ながら、山下おばあさんは眉をひそめた。
――
電話を切った後、白川露依は階下に向かった。
二階に着いたとき。
山下莉理の声が聞こえてきた。
彼女は恋人と電話をしているようで、甘えた声で「じゃあ、キスして!」と言っていた。
それを聞いて、白川露依は思わず額に手を当てた。
この子ったら!
また彼氏が変わったの?
「宮本くん、いつ帰ってくるの?」
宮本くん?
白川露依は眉をひそめた。
あの竜国人じゃない?
山下莉理はまだ別れていないの。
山下莉理が電話を切った後、白川露依は直接彼女の前に行き、厳しい表情で言った:「山下莉理、どうしたの?」
「何がですか?」山下莉理は困惑した表情で彼女を見た。