069:独断専行_2

本当にイライラするわ。

白川露依が反応する前に、山下言野は続けて言った。「おばさん、修理店にまだ用事があるから、先に行くよ。」

言い終わると、彼は振り返って歩き出した。

その速さといったら。

白川露依は無力な表情で山下言野の背中を見つめた。

修理店は大谷仙依より大事なの?

彼女は元々山下言野と大谷仙依をうまく引き合わせようと思っていた。

でも白川露依は希望を失っていなかった。

一目惚れなんて嘘だと。

彼女は長い付き合いから生まれる愛情の方を信じていた。

大谷仙依はこんなに素晴らしい子だから、山下言野もいつかは彼女の魅力の虜になるはず。

今の彼女に必要なのは、大谷仙依と良い関係を築き、ついでに大谷仙依の前で山下言野の存在感を高めることだけ。

しばらくして、白川露依はトイレの入り口で大谷仙依を待った。